Discord でいただいたご要望とご報告をもとに、線のガタつきを減らし、書体を増やし、消しゴムに「全レイヤー」を付け、画像を取り込む範囲をドラッグで動かせるようにしました。取り消し(Ctrl+Z)や画像の取り込み、ショートカットで見つかった不具合も直しています。そしてこの版から、Mac 版が正式版になりました。Apple の署名と公証を受け、ショートカットは ⌘(command)キーで使えます。
1. 描く
- ブラシ・ペン・消しゴムで描いた線のガタつきを減らしました。斜めの線の段差が、直線ツールで引いたときに近いそろい方になります(ゆっくり描くほどよく効きます)。 技術メモ: これまでは、ペンの位置を画素に丸めてから短い線を継ぎ足していたため、つなぎ目ごとに丸めの誤差が入り直し、段の長さが 2・3・2・3… と不揃いになっていました。描いている間は位置を小数のまま持ち、画素に落とすのを最後の 1 回だけにしています。
- 点線の間隔が、以前より少し広めになります。 技術メモ: 点線は、引いた距離で点と空きを刻みます。以前はつなぎ目ごとの丸めで距離が実際より長く積もっていたので、正確に測るようになったぶん、点が少なめになります。
- 文字ツールに書体を 5 種類追加しました。角ゴシック・ドット風・手書き・明朝(標準)・看板(装飾)が加わり、全 10 種類から選べます。 技術メモ: ドットの文字にしたときに潰れて読めなくなる大きさは、書体ごとに選べないようにしています。とくに「明朝(標準)」は横画が細いため 20px からです。
- 消しゴムに「全レイヤー」を付けました。オンにすると、なぞったところが見えているレイヤーすべてから消えます。ひとなぞりは Ctrl+Z 1 回で戻ります。 技術メモ: 非表示のレイヤーと鍵をかけたレイヤーは消しません。全コマ共通のレイヤー(📌)は、全コマから消えます。オンのとき、なぞっている途中にキーやボタンを押すと、そのストロークはそこで終わります。
2. 取り込む
- 画像の取り込みで、プレビューをドラッグして取り込む範囲を動かせるようになりました。倍率スライダー(×1〜×8)で拡大すると、画像の一部だけを取り込めます。マウスのホイールでも拡大できます。 技術メモ: 拡大してもドットはにじみません。複数の画像を連番で取り込むときは、全部のコマが同じ位置・同じ倍率で入ります。「位置を戻す」で最初の位置に戻せます。
- 320×240 ちょうどの画像や、その 2 倍・半分などの大きさの画像を取り込んだとき、一部の画素が隣の色と混ざることがある不具合を直しました。ドット絵の形が崩れずに入ります。 技術メモ: 元の画像のどこからどこまでを 1 画素にまとめるかの計算で、端数のために隣の行(列)の画素を余計に拾っていました(320×240 では 4 行)。整数だけで計算するようにしています。160×120 は 2×2、80×60 は 4×4 のきれいな四角で入ります。
- 取り込めなかったファイルや、開けなかった作品の理由を日本語で出し、ログにも残すようにしました。まとめて取り込んだときは、理由の先頭 3 件をその場に出します。 技術メモ: 以前は英語の技術的な文が画面に出て、ログには何も残っていませんでした。ログに作品の名前やファイルの場所は書きません。
- クラウドを通したときに名前の末尾に「.gz」が付いて、一覧から見えなくなった作品を直せるようになりました。ライブラリを開いたときに見つかると、名前を直すか尋ねます。 技術メモ: 作品ファイルの中身が圧縮データそのものなので、クラウド側が種類を判定して拡張子を足してしまうことがあります。直すのは名前だけで、中身は 1 バイトも変わりません。
3. 保存
- 同じ絵のコマが多い大きい作品は、保存するとファイルが小さくなります。すでにある作品も、開いて保存し直すと小さくなります。絵は 1 画素も変わりません。 技術メモ: コマを複製して作った同じ絵は、ファイルの中で 1 つにまとめて書くようにしました。あとからどちらかに描き足しても、もう一方のコマには出ません。小さい作品のファイルは今までと同じです。形式は v1.6.0 以降と同じなので、旧版でも開けます。
4. 直した不具合
- 歪み(液状化・魚眼)を取り消したとき、見ているコマの絵が上書きされることがある不具合を直しました。 技術メモ: 歪ませたあと別のコマへ移ってから取り消すと、歪ませたコマではなく、見ているコマに「歪ませる前の絵」が書き込まれていました。取り消しの記録に「どのコマの操作か」を持たせ、そのコマにだけ効くようにしています。
- 大きい作品で、離れたコマの操作を取り消しても絵が戻らないことがある不具合を直しました。Ctrl+Z を押しっぱなしにしても、1 つずつ順に戻ります。 技術メモ: 大きい作品は、見ていないコマの絵を省メモリのためにしまっておきます。しまったあとのコマの操作を取り消すと、履歴だけが戻って絵が戻っていませんでした。取り消す前に、そのコマを呼び戻すようにしています。
- レイヤーの移動を取り消したあと、オートセーブが働かないことがある不具合を直しました。 技術メモ: 取り消しても「未保存」の印が付いていなかったためです。あわせて、複写や「切り取って新規レイヤー」の取り消しも、しまっておいたコマで確実に効くようにしています。
- Ctrl・Shift・Alt の単独タップに割り当てたショートカットが、ほかの修飾キーを押したまま押すと誤って動くことがある不具合を直しました。 技術メモ: ほかの修飾キーを押している間に押した修飾キーは、タップとして数えないようにしました。単独でトンと押したときの動きは今までどおりです。設定画面でショートカットを登録するときも、同じ判定を使います。
5. ★ Mac 版が正式版になりました
- この版から、Mac 版を正式版として、Windows 版と同じリリースに並べて配布します。Apple の署名と公証を受けたので、初回起動で「開発元を確認できません」と出なくなりました(右クリック →「開く」の手順も要りません)。 技術メモ: ダウンロードした .dmg をそのまま開くと、初回だけ「Apple によるチェックで悪質なソフトウェアは検出されませんでした」と確認が出ます。「開く」で起動します。Apple シリコン・Intel の両方に対応しています。
- ショートカットを ⌘(command)キーで使えるようになりました。⌘Z で元に戻す・⇧⌘Z か ⌘Y でやり直し・⌘S で保存など、Ctrl と書かれていたものは全部 ⌘ で効きます。画面の表記も ⌘ ⌥ ⇧ の記号になりました。 技術メモ: control キーでも今までどおり効きます。そのため Mac では、⌘ と control に別々の命令は割り当てられません。Windows の表記と動きは変わりません。
- Mac 版は、アプリ内の自動更新にまだ対応していません。新しい版は配布ページから入手して、「アプリケーション」フォルダに上書きしてください。 技術メモ: 「更新を確認」を押したときの案内文も、テスト版の頃の文から、この内容に改めました。
※ 作品のファイルの形式は v1.6.0 以降と同じです。同じ絵のコマが多い大きい作品は、保存し直すとファイルが小さくなりますが、旧版でもそのまま開けます。Mac 版はアプリ内の自動更新にまだ対応していないため、新しい版は配布ページから入手してください。