利用者の方からいただいた意見シートをもとに、「機能はあるのに見つからない」「フルカラーだと色が選びにくい」を直しました。オニオンスキン(透かし表示)は前のコマだけ・次のコマだけを選べるようになり、右パネルのいちばん上に移動しています。あわせて、大きな作品を扱うときの安定性(貼り付け・保存・書き出し)にも手を入れ、出荷前の実機確認で見つかった不具合も直しました。
1. オニオンスキン(透かし表示)
- 「向き」を選べるようになりました。前のコマだけ・次のコマだけ・両方の3つです。前後が同時に出てごちゃつく場面で、見たいほうだけ残せます。 技術メモ: 透かす段数(切/1/2/3)とは別の軸として足しています。段数・色・濃さの計算はこれまでと同じで、描く行を通すか通さないかだけを切り替える作りです。既定の「両方」は以前のコードと全画素を突き合わせて一致を確認しています(112通り)。
- 右パネルのいちばん上(道具の設定のすぐ下)に移しました。これまでは下のほうにあり、画面が狭いとスクロールしないと出てきませんでした。 技術メモ: 意見シートで2人の方から「見つからない」(うち1人は30分探して未発見)とご報告いただき、調べたところ名前ではなく置き場所が原因でした。右パネルは上段の中でスクロールする作りで、旧位置は上から約457ピクセル=見えている高さ(342ピクセル、狭い画面では294ピクセル)の外側でした。新しい位置は35ピクセルです。
- 選んだ向きと段数は、アプリを閉じても覚えています。
2. よく使う色の棚
- よく使う色を登録しておける棚が付きました(最大48色)。フルカラーで作品の色が増えても、自分で選んだ色だけをすぐ出せます。アプリを閉じても、別の作品を開いても残ります。 技術メモ: これまでの色見本は「その作品で使われている色を全部並べる」作りなので、フルカラーでは色が際限なく増えて選びにくくなっていました。登録した色はマイ柄と同じく設定側に保存するので、作品をまたいで使えます。透明(消し色)は色ではないので登録できません。
- これまでの色見本はそのままです。3DSと同じ既定の色もこれまでどおり並びます。
3. コマをまとめて追加
- コマを1〜100枚まとめて追加できるようになりました(今のコマの複製でも追加できます)。取り消しは一回で全部戻り、押す前のコマに戻ります。 技術メモ: 一度に足せるのを100枚までにしているのは、1コマがレイヤーの数だけ実際にメモリを確保するためです(20レイヤーなら100枚で約150MB)。ここを大きくすると「間違えて1000枚」がメモリ確保の失敗になり得て、その場合は取り消しても手遅れになります。足りなければもう一度押していただく形にしました。
4. 見つけやすさと、設定の手数
- 「マイ柄」が、まだ1つも登録していない状態でも見えるようになりました。これまでは登録するまで項目そのものが出ておらず、機能があること自体が分かりませんでした。 技術メモ: 登録すると項目が出る作りだったので、「使えば見える/見えないと使えない」の鶏と卵になっていました。1つも無いときだけ、見出しと増やし方の1行を残すようにしています(節を畳んでいても見出しは残ります)。
- 「かすり消し」に、何ができるかの説明を画面に出しました。消しゴムの種類の一覧の先頭に1行です。 技術メモ: これまではマウスを乗せたときだけ出る補足(title)に入っていたため、ペンで操作している方には読む機会がありませんでした。
- ショートカットキーの設定で、組み込みの組み合わせのまま「変更」を押せるようになりました。あなた用の組み合わせが自動で作られます。 技術メモ: これまでは「複製してから変更する」必要があり、3手+確認が要りました。2手・確認なしになります。
5. 修飾キーを「タップ」に割り当てる
- Ctrl / Shift / Alt を単独で押してすぐ離す「タップ」に、ショートカットを割り当てられるようになりました。ペンタブレットのサイドスイッチが修飾キーを送る設定のときに使えます。既定では何も割り当てていません。長押しや他のキーとの組み合わせは、これまでどおりです。 技術メモ: 「押してすぐ離す」の判定は 250 ミリ秒で、スペースキーのタップと同じ値にしています(このアプリの中で「タップ」の意味を1つに保つため)。ペンを先に離してから修飾キーを離したときに誤って発動する筋道は、候補を立てる時点でペンの状態・ダイアログ・文字入力・日本語入力を見る形で塞いでいます。
- 同じ修飾キーを「タップ」と「+クリック」の両方に割り当てようとすると、理由つきでお断りするようにしました。すでに両方に割り当ててある場合は、設定画面に印が出ます。 技術メモ: 「Alt(タップ)」と「Alt+クリック」は設定上は別の字面ですが、ペンを置いた瞬間に押している指は同じなので、どちらが動くか決まりません。旧版と新版で全組み合わせを総当たりし、新しく許可されるものが 0 件・新しく断るものが 52 件(すべて説明できるもの)であることを確認しています。
- スポイトで色を拾ったときに、短く知らせるようになりました。 技術メモ: 同じ場所で続けて拾っても知らせが積み上がらないよう、3.5 秒の間引きを入れています(知らせが消えるまでの時間より長くしてあります)。
6. 大きな作品を扱うときの安定性
- コマを大量に貼り付けても落ちなくなりました。時間のかかる操作の最中は「◯◯しています」と出て、二重に押せないようにしています。入りきらないときは「あと約◯コマ」と先に知らせます。 技術メモ: 重い操作の入口を1本にまとめ、押せない見た目を先に描いてから作業を始める形にしました。メモリは確保してから失敗するのではなく、確保する前に見積もって断ります(1,000コマ級なら「あと約349コマ」のように具体的な数で出ます)。
- とても大きな作品で保存が失敗することがあったのを直しました。たくさん貼り付けた直後などに起きていました。保存の前に片づけを待つ場合は、右下にその旨が出ます(その間も描き続けられます)。 技術メモ: 保存のために作る控えの大きさを、同じ実体を二重に数えない形で見積もり直しました(実測と1バイトまで一致することを確認しています)。見積りが大きいときは、眠っているコマの片づけを待ってから写します。v1.5.10 で入れた「保存中も描ける」仕組みは、この待ちの外に置いてあるので殺していません。
- 書き出しの前に全コマを一度に展開していたのをやめ、1コマずつ読むようにしました。 技術メモ: 省メモリ状態の作品でも、必要なコマだけを起こして書き出します。眠らせた作品で全画素が一致することを、同じ検査の中で「そのまま合成すると白紙になる」ことと突き合わせて確認しています。
7. 出荷前の実機確認で見つけて直した不具合
- とても大きな作品(およそ 128MB を超えるもの)を棚で選ぶ・開くと、画面全体が真っ白になって操作できなくなることがありました。直しています。 技術メモ: 作品を開く道が、ファイルの中身を数値の配列として受け取っていました。この配列には 134,217,728 個という上限があり、超えると例外ではなく画面の描画そのものが停止します(例外ではないので、これまでの防御もログも効きませんでした)。今回の版から、開く・取り込む・読み戻すのすべてを生のデータのまま受け取る道に揃えました。v1.7.0 で大きな作品を保存できるようになったことで、ちょうどこの境界に届くようになったため表に出た不具合です。
- Alt キーを単独で押して離したあと、ペンやマウスの反応が止まったように見えることがありました。直しています。 技術メモ: Windows がメニュー操作の待ち状態に入っていたためで、アプリ側で受け止めるようにしました。
- 大きすぎる画像を取り込もうとしたときに、読む前に断るようにしました(64MB まで)。複数枚を選んだときは、大きすぎる1枚だけを知らせて飛ばし、残りはそのまま取り込みます。 技術メモ: 上の「真っ白」と同じ境界を画像の取り込みだけが持っていなかったため、先回りして塞いだものです。読み込んでから断るのではなく、読む前に大きさを見て断ります。
※ 表示・設定・入力と、安定性の更新です。作品のファイルは何も変わりません(v1.6.0 で保存したものと同じ形式のままです)。設定を触らなければ、見た目も v1.6.0 とまったく同じ状態から始まります。