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第11章 夢を並べる

二人目の使用人は、前の者より少し背が高く、落ち着いた声をしていた。 エルジェベータは最初、今度こそ近いと思った。 被り物を被せると視線の高さはよく合い、歩き方も滑らかだった。彼女は一時、また満たされる。けれど、回数を重ねるほど、細かな違いが目につき始めた。呼吸の乱れ、指先の緊張、返事を待つ間。どれも人間らしく、だからこそ違っていた。

結果は同じだった。 やがて恐怖が見え、エルジェベータはそれを許せなくなる。何度も部屋の中で鈍い音が響く。 気づくと彼女は、服のまま水を張ったバスタブに浸かっていた。水は赤く濁り、ゆっくり揺れている。 彼女は内側から赤が滲んだロバの被り物を抱え、ぼんやりと虚空を見ていた。濡れた金髪が頬に張り付き、黒いドレスは水を吸って重く沈んでいる。 壊れているのに、美しかった。

その後も、同じことは繰り返された。地下室には、ロバの被り物を被せられた亡骸が増えていく。 ひとつ、ふたつ、みっつ。 やがて六つになった頃、侍女はついに気づいた。 ある夜、地下室の扉の前で立ち尽くし、震える声で言う。

「お嬢様、もうおやめください。これは、あなたの求めているものではありません」

エルジェベータはしばらく黙っていた。やがて、ゆっくりと侍女を見る。

「……そう。あなたも、私の思い通りにはならないのね」

その声は穏やかだった。だからこそ恐ろしかった。

それから彼女は、ドンキィちゃんだけを作るのをやめた。夢の広間には、鹿も鳥も狼もいた。ならば、あの世界ごと作ればいい。 地下室には、他の動物の被り物も並び始める。 鹿の顔、鳥の顔、狼の顔。エルジェベータは一人ずつ役割を与え、そこに立たせ、動かし、そして気に入らなければ沈黙させた。 夢を再現しようとするたび、地下室は夢から最も遠い場所になっていった。